「BAKERU」「POPPO」「Tokyo Light Odyssey」海外展示へ

WOW magazine 160 - Oct. 30th, 2019

仙台で生まれた「BAKERU」、アメリカで展示

東北の郷土芸能をモチーフにしたインスタレーション作品「BAKERU」が、先日、アメリカロサンゼルスでの公演「BAKERU: Transforming Spirits」を終えました。

2017年、WOW20周年記念に制作し、せんだいメディアテークで初公開した「BAKERU」。WOW創業の地である仙台オフィスのメンバーが制作した本作の構想は、東日本大震災後に実施した社内の座談会から生まれました。東北に住む自分たちが今すべき表現とは何かを模索する中、半ば必然的に「東北」というキーワードに漂着。現代に生きる自分たちの感性を通して、地域の歴史や文化を異なる角度から捉える作品を作れないか。それが「BAKERU」の始まりでした。

話し合いの中で特に関心を集めたのが、誰もが知ってはいるけれど詳しいことは知られていない、ナマハゲや鹿踊りなどの東北各地に伝わる郷土芸能でした。郷土芸能の有識者へのインタビューやフィールドワークを通して伝統と精神性を学び、それらにWOWなりの解釈と表現、ちょっとした遊び心を加えることで、誰もが直感的に楽しみ、理解できる体験を目指しました。結果「BAKERU」は、2017年せんだいメディアテーク、2018年表参道スパイラル、2019年Japan House Los Angeles、そして文化庁の教育プログラムに採択されるといった活動の広がりを見せる作品に成長しました。

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東京鹿踊 ✕ ラコタ族 共演ムービー公開

「BAKERU=化ける」という行為は、日本独特のものなのでしょうか?
「世界の『BAKERU』に会いに行く」をテーマに、日本と世界の「BAKERU=化ける」行為の根底に流れる大きなつながりを探るムービー「世界のバケルに出会う | TOKYO SHISHI-ODORI × LAKOTA」を制作。

異なる国、異なる風土で生まれた二つの文化、東京鹿踊とネイティブ・アメリカンラコタ族。古くから受け継がれてきたものには、伝統や技術、文化そのものといった豊かな世界観が内包されています。異なる背景に相反して存在する数多くの共通項からは、大きな時の流れの中で育まれてきた人間の営みを俯瞰する視点を有していました。

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「POPPO展」「Tokyo Light Odyssey」Japan House Londonにて公開

東北地方には、こけしやお鷹ぽっぽといった郷土玩具が多数存在します。「私たちが今、郷土玩具で遊ぶとしたら?」「伝統的な世界観を現代の技術で表現するには?」といったテーマに挑戦した体験型の作品群「POPPO展」では、「ぽっぽの森」「ROKURO」「YADORU」を発表。普段とは少し異なる角度で郷土玩具の世界に触れ、地域に伝わる文化の奥深さを再発見するきっかけになることを願って制作しました。POPPO展は、2017年に山形まなびあテラスで公開し、2018年表参道スパイラルにて「ROKURO」、同年山形ビエンナーレにて「YADORU」「ROKURO」、2019年Media Ambition Tokyoにて「YADORU」を公開。そしてこの度、イギリスのJapan House Londonにて開催を迎えることになりました。

また、東京の夜景を360度の全天球型ムービーで映し出す映像インスタレーション作品「Tokyo Light Odyssey」も同館にて公開。本作は、2017年メディア芸術祭にて公開し、2018年にはWebby Awardを受賞。以降、海外のVRイベントやフェスティバルで数多く公開してきました。

約10年前、WOWは自分たちの表現が世界でどのように受け入れられるのかを探るため、オリジナル作品を積極的に海外へ持って行き、発表していました。近年では、海外から作品展示の依頼をいただく機会が増え、作品のグローバル化が進んできています。今後も、WOWは日本人の感性や普遍的な美を探求すると共に、伝統文化や伝統芸能の媒介となり得る作品づくりに励み、より多くの方に豊かな視点、多様性をもたらし、楽しんでもらえるビジュアルデザインワークに取り組んでいきます。

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