SHIBUYA STREAM

Case Study

BRIEF

2階貫通通路入口に設置された巨大映像壁面、明治通り方面につながる映像装置が埋め込まれた大階段空間演出など、施設名である「渋谷ストリーム」を独自に解釈し、100mに及ぶ2階貫通通路の一部の環境設計が求められた。

PROCESS

「ストリーム(流れ)」を独自に解釈し、映像壁面では「思考の流れ」をコンセプトに制作プロセスすらも掲出するユニークさを持った。映像装置が埋め込まれた大階段では、滝や川の様な自然現象の流れを踏襲し、施設前に流れる渋谷川との呼応を目指した。

RESULT

建築空間、ビジュアル、音響が一体となった総合的な環境デザインを高次元に達成。これからの渋谷の新たなアイコンになると考えられる。

プロジェクト背景

渋谷ストリームは、旧東急東横線渋谷駅のホ―ムと線路及びその周辺敷地を再開発して誕生した大規模複合施設。ここでの体験・交流・挑戦から生まれる新しいモノ・コトを世界に発信し、「クリエイティブワーカーの聖地」として新たな次代の「流れ」を生み出す事をコンセプトにプロジェクトがスタートした。

渋谷における新たな文化創造と、渋谷駅南側エリアの活性を図る本プロジェクトでは、「クリエイティブピープル」をターゲットにし、彼らにとって日常的にインスピレーションが生まれる場を目的としている。WOWは、渋谷駅から直結する100mに及ぶ2階貫通通路の一部とその入口に設置された巨大映像壁面、明治通り方面へとつながる大階段の環境演出と体験設計を担当した。

演出背景

本案件は、WOWが手がけた「はこだてみらい館」「洸庭」に続く、「建築とメディアの融合」を目指すプロジェクトだ。

建築とメディアが関係性を持つという事は、建築同様メディアにも永続性が求められる。「洸庭」の内部インスタレーションでは、モニターから映し出される光と映像が水面に反射することにより、永続性のある光のアニメーションを実現させた。水にたゆたう光は、鑑賞者に様々なイメージを想起させ、鑑賞者自身の想像力と結びつく。鑑賞対象は同じでも一人一人が異なるビジュアル体験を実現した。

これは西行法師が書き残した仏の形に関しての一句に詳しく書かれている。

「紅虹たなびけば虚空色どれるに似たり。白日かがやけば虚空明かなるに似たり。しかれども、虚空はもと明かなるものにあらず。また色どれるにもあらず、我またこの虚空の如くなる心の上において、種々の風情を色どるといへども更に蹤跡なし。この歌即ち是れ如来の真の形体なり。」

この経験を都市にインストールする事で、「建築とメディアの融合」に対するWOWの回答とした。

演出意図

官民連携による渋谷川の再生も行い、渋谷駅南側エリアのアイコンとなる本施設では、クリエイティブやトレンドを押し付けないように配慮した。2階貫通通路及び大階段空間では、外の雑音を緩和する「緩やかな結界」を音響環境によって生み出し、その環境下で現象的なビジュアルが作り出す擬似的自然環境が、日常的に生活する人々と立ち寄る人々の内的想像性を引き出す事を目指した。

全体演出のコンセプトを「INNER STREAM」と呼び、3つの環境演出を担当した。

1. Invisible Stream | 渋谷ストリーム2階玄関口に設置された巨大映像壁面
クリテイティブワーカーの「発想」から、最終的なフィニッシュまでの思考プロセスを流れ=Invisible Streamとしてビジュアライズ。「Stream」をテーマに、水、川、霧、光など現象的なモチーフを映像化したフィニッシュワークと、CGとプログラム表現における様々なスタディプロセスも一緒に展示する事で、鑑賞者自身の想像力と結びつき、一人一人が違うビジュアル体験をする事が可能となる体験設計を目指した。

2. Fall Stream | 明治通り方面へとつながる映像装置が仕込まれた階段空間
音の渦から音が大階段になだれ込む様な映像演出。滝や水など現象的なモチーフを用いる事で、渋谷川との一体性と訪れる人たちにとって安らげる空間体験を目指した。

3. Barrier Stream | 2階貫通通路及び大階段空間の音響環境
音響環境は、「Sound Architecture」という概念を持つ音楽家、サウンドアーティストの「evala」とのコラボレーションにより実現した。コンセプトは、吹き抜ける風が印象的な渋谷ストリームの空間。電車やクルマなどの外の音も聞こえるこの場所と調和するサウンドを考案。渋谷川でフィールドレコーディングした水の音も随所に混ぜ、風が吹くと木々が揺れ、波立つような自然現象のごとく、常に新しい旋律が生成され続け、二度と同じ音は聞こえないプログラムを設計した。連結動線に配置されたスピーカーを活用し、都市のノイズを遮断し、内的創造性を高める環境を実現した。

evala [See by Your Ears]
音楽家、サウンドアーティスト。先鋭的な電子音楽作品を国内外で発表するほか、立体音響のサウンドシステムを新たな楽器として駆使し、2016年より「耳で視る」という新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」を始動。音が生き物のように躍動的にふるまう現象を構築し、新たな音楽手法としての「空間的作曲」を提示する。

Credits

Project Produce : Tokyu Agency Inc.
Producer:Tsuneyoshi Uchiumi
Director:Takayuki Irie

Space Creation : TAKT PROJECT Inc.
Creative Director : Satoshi Yoshiizumi
Designer : Satoshi Yoshiizumi / Takeshi Miyazaki / Atsushi Honda / Yukimi Kushige

Visual Creation : WOW
Art Director : Takuma Nakazi
Conceptor / Creative Director : Yuki Tazaki
Designer : Kazunori Kojima / Tomoya Kimpara / Shota Oga / Hiroshi Takagishi
Technical Director : Shunsaku Ishinabe
Producer : Shinichi Saeki

Sound Creation : See by Your Ears
Sound Artist : evala
Project Management : Arina Tsukada

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